ある「ひらめきクイズ」

アイディアやひらめきをテーマにした本の中に、多数のパズルを出題して読者に「ひらめき体験」を提供するものがあります。
しかし、クイズやパズルを数多く解いたからといって、たちまち有能な社員に変身できるとは思えません。世の中そんなに甘くないし単純でもない。
しかし、ひとつだけ強く印象に残っている「ひらめきパズル」があるので、ちょっとご紹介したいと思います。それは、こんな問題です。

【問題】 部屋の中に電球が3つある。そのスイッチは廊下に3個あるが、どれがどの電球のスイッチかわからない。スイッチのある場所から部屋の中の電球は見えない。廊下には1回しか出られないとすると、どうすればどのスイッチがどの電球のものか判別することが可能か。

しばらく正解を考えてみてください。

このパズルは、普通に考えると絶対に解けない。1回廊下に出るだけで、3個のスイッチと電球の関係を判別することは数学的には不可能だからです。
すでにひらめいた方もおられると思いますが、正解は以下のとおりです。

まず、廊下に出て左端のスイッチをオンにして、3分経ったら消し、中央のスイッチをオンにして部屋の中に入っていきます。明かりがついているのはもちろん中央のスイッチの電球です。
消えている電球のうち、まだ暖かみが残っているのが左端、残りが右端のスイッチの電球です!

言われてみれば「なーるほど」なのだが、ここには発想の転換が必要です。
数学的なクールな思考ではなく、もっと泥臭い、生身の体を伴う想像力のようなものが必要なのです。
また、「物事は時間をかけて存在する」というあたりまえのことを悟り直す素直さも大切です。
消したばかりの電球は暖かい。言われれば何てことはありませんが、これを解決に結びつけるには、ひらめきがいります。あたりまえだから見過ごす観点もあるということですね。

 

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